当院での治療は拡大視野下にて行います。拡大された視野で治療を行うことで「審美性の向上」、「病変の確認」、「リスクの軽減」などいろいろな場面において効果が期待できます。精度にこだわった治療を行うためには肉眼では実現困難な拡大視野での治療は必要不可欠と考えております。

拡大視野下での治療のために

当院では拡大視野下での治療のために用途に応じて2つのデバイスを使い分けています。

①手術用ルーペ

②マイクロスコープ

手術用ルーペはおよそ3-7倍程度の拡大視野での治療が可能となります。

マイクロスコープ

マイクロスコープは手術用顕微鏡を歯科用に改良したものです。主に根管治療でその力を発揮しますが、現在では通常の虫歯治療、歯周病治療など多岐にわたって使用されています。マイクロスコープの効果は以下の3つに分けられます。

1. 拡大

拡大マイクロスコープは肉眼と比較して約20倍程度まで視野の拡大を可能にします。そのため肉眼や手術用ルーペでは確認できない異常も確認できる可能性があります

2. 照明

視野を拡大することのデメリットとして視野が視野が暗くなってしまうことがあります。マイクロスコープは暗くなった視野をLEDで強力に照らしてくれます。

3. 記録

現在使われているマイクロスコープは視野の拡大だけでなく、治療中の映像を記録することもできます。これにより、治療中の画像や動画を記録することができ、治療後に治療の内容の確認することもできます。

マイクロスコープを使用すると

実際にマイクロスコープを使用すると、どのように見えるのでしょうか。実際の紙幣を拡大すると図のように小さく書かれた「NIPPONGINKO」の文字が確認できます。これを治療の際に用いることでその治療精度が大きく変わることは想像に難くないことがおわかりいただけるでしょう。

またむし歯などの病変と健常部位の境界もわかりやすくなるため極力、切削量を減らした低侵襲な治療も可能になります。

マイクロスコープのある医院は約15%

ここまででマイクロスコープの有用性はおわかりいただけたかと思いますが、マイクロスコープは必ずすべての医院にあるわけではありません。2020年のGCの調査では日本国内でおよそ11,000台が使用されています。これは全国の歯科医院が70,000件あることから歯科医院の15%程度にあたります。当院では根管治療に対して全例マイクロスコープとラバーダムの使用をしております。

マイクロスコープの欠点

マイクロスコープも欠点があります。肉眼やルーペでの治療よりも機械の取り回しが悪いことが挙げられます。そのため治療の際には術野をミラーで見ながら動かすミラーテクニックが必要になります。また振動に弱く、振動により術野がブレやすいこと、その大きさのために置き場所に困ることもしばしばです。