口腔機能療法とは

口腔筋機能療法(Oral Myofunctional Therapy:OMT)とは、口腔周囲の口や舌・唇・頬などの筋肉を正しく使えるように訓練し、呼吸や嚥下、発音、姿勢などを改善する治療法です。特に小児期における歯並びや顎の発育は、単に歯の大きさや遺伝的要因だけでなく、「舌の位置」「口呼吸」「飲み込み方」「かみ方」「姿勢」「口腔習癖」などの習慣によって大きく左右されます。これらの機能が正しく行われない場合、歯列不正や顎の変形につながり、口の中の歯列不正や問題をより複雑にする可能性があります。そこで注目されているのが、マウスピース型装置「マイオブレース(Myobrace)」を用いた口腔筋機能療法です。装置を用いて、各種機能トレーニングを組み合わせることで、歯並びの乱れを根本原因から改善と予防をすることができます。

口腔機能療法の目的

OMTの目的は、歯や顎の正しい発育を促すために必要な筋肉の機能を整えることです。歯列不正は遺伝的要因だけではなく、舌癖や口呼吸、間違った嚥下習慣といった後天的な要因によって引き起こされる場合が多くあります。例えば、口呼吸をしていると常に口が開いた状態になり、上顎の成長不足や出っ歯を招きます。舌の位置が低いままだと上顎の発育が妨げられ、歯列が狭くなることもあります。OMTでは、正しい呼吸法・舌の位置・飲み込み方を訓練し、これらの悪習慣を改善します。マイオブレースやBio Blockといった装置とトレーニングの両輪で成果を高めます

治療のメリット

OMTの最大のメリットは「原因にアプローチできる」ことです。従来の矯正は歯を動かすことで歯並びを整えるものでしたが、根本的な原因である口呼吸や舌癖を改善しなければ、後戻りのリスクが高まります。OMTでは歯列不正を招く環境要因を取り除くことで、自然な発育を促し、矯正後の後戻りを防止することができます。また、矯正治療に伴う抜歯やワイヤー矯正を避けられる可能性がある点も大きな利点です。さらに、鼻呼吸の改善は全身の健康にもつながり、いびきや睡眠の質の改善や学習障害の改善と防止が期待されることもあります。

治療のデメリット、注意点

一方で、OMTにも注意点があります。この治療を成功させつためには治療を受ける個々の「継続と習慣化」が大事な要素です。装置の装着時間が短かったりやトレーニングを怠ると効果が十分に得られません。また、目に見える結果がでるまでは性がわかりにくく、効果が現れるまでに数か月〜数年かかるため、短期間での劇的な改善を期待はできません。さらに、遺伝性の重度の骨格性不正咬合や大人の症例では、単独では効果が不十分な場合があり、他の矯正治療と併用が必要になることもあります。そのような点をご理解いただいたうえで治療をすすめて行く必要があります。