日本人の歯を失う理由の殆どは歯周病、むし歯、歯が割れてしまう破折の3つが主な理由になります。そのうち破折に関しては治療できるケースもありますが、抜歯に至ってしまうケースがほとんどです。
そのためどんな状態の歯でも絶対に抜かないとは言えません。しかし、治療というものについて、かかる医院や術者によって結果は変わるというのは事実です。当院では抜歯回避に徹底的にこだわっており、他院で抜くと判断された歯でも残すことができたケースも多数あります。当院の極力歯を抜かない治療が実現するために以下のような取り組みをしています。
抜歯回避のための歯周病の治療
日本人の抜歯に至った理由の第1位が歯周病です。歯周病は歯を支える骨である歯槽骨を溶かす病気である歯周病の悪化により、歯を支えられなくなり歯がグラグラになって抜けてしまうという状態です。痛みなく進行するのでサイレントキラーと呼ばれます。抜歯に至る原因第1位が、この歯周病です。無症状のまま進行してしまう歯周病はまず早期発見と治療が将来の抜歯回避のための大事な要素となります。当院では正確な診査と診断を行うことで歯周病の早期発見を行います。
重度歯周病への対応
歯周病の初期治療と言われる歯石取りで歯周病症状が改善されない場合は、外科的に歯肉を切り、歯根を露出させた状態で歯根の表面を掃除する歯周外科が必要となります。また、すでに重度に進行してしまって骨が溶けている場合には、骨の生成を促進させる歯周外科処置であるエムドゲイン治療を行い、グラグラであった歯を噛める状態にまで復活させる治療も行っております。
マイクロスコープを用いた歯内療法
歯の根を治療する根管治療ではマイクロスコープの使用の有無で治療の精度が大幅に変わります。当院における根管治療は全例このマイクロスコープと唾液中に含まれる細菌が根管内に侵入することを防ぐラバーダムの使用をしております。このため根管治療の成功率を高め良好な治療成績を実現しております。
外科的歯内療法への対応
根尖病巣(こんせんびょうそう)といい、根の先(根尖)に膿がたまり、歯茎からの排膿や噛んだときの違和感が収まらない場合があります。通常の根管治療で根尖にできた病巣が改善しない場合、外科的歯内療法が適応となります。歯根端切除術や意図的再植術が知られていますが、外科的処置により直接病巣を取り除くことで、抜歯を回避できます。
その他の治療方法
抜歯を回避できなかった場合の選択肢はインプラントや入れ歯が一般的に多く用いられます。インプラントや入れ歯は人工物だから、それらを入れたくないを思われる方も多いと思います。しかし、もう一つの選択肢としてかみ合わせに参加していない不要な親知らずを抜歯して歯が抜けた部分に移植するという方法もあります。適応は限られますが、自分の歯で補う自家歯牙移植はインプラントや入れ歯同様に欠損箇所の修復として有効な手段と言えます。